NANAは何巻まで出てる？完結(最終巻)の予想と全巻まとめ買いの料金も！

私は、愛を求めて次から次へと付き合う男性を変えてしまうハチの気持ちも、なんとなく理解できました。多分、寂しがり屋なんですよね、彼女は。でも、ハチ以上に心に孤独感を抱えていたのは、ナナのほう。ナナがハチを自分のそばに置いておきたいがために、バンド仲間のノブを利用したりする場面は、彼女の心のゆがみを表しています。

似たような部分は、私自身にもあるような気がしています。ナナにも共感してしまう部分は、ハチ以上にあるのです。時に人間関係って、同性異性関わらず、友達関係のほうが厄介だと思います。相手との恋愛関係を維持したいなら、

最終手段として肉体を使ってしまえば済むような気がします。動物的本能に抗うことは、難しいですからね。でも、その本能が友人関係では通用しない。だから恋人同士として、本能を利用できるノブを、ナナは利用したんですよね。ナナにとっては、それくらいハチという女友達が必要だったのでしょう。

恋愛でも、本能を以てしても難しい関係が存在することを、NANAという漫画は示唆しているのです。人間関係の難しさを象徴するのが、ナナとレンのワンシーンですね。2人のすれ違いが招いた最悪の結果…どこをどうしていれば、あんな風にならずに済んだのか。

何度も漫画を読み返すことで、現実を生きる私たちは、我が身を振り返ったり、学んだりすることができるのかもしれません。本当に大切にすべき人を失わないために。教訓になるシーンがたくさんあるので、恋愛や人間関係に悩んでいる人には特に、グサッと刺さる作品ですよ。

いろいろな登場人物の切ない部分がたくさん描かれていて、読んでいて何度も泣いてしまいました。自分も大切な人を急に亡くしたので、その部分でもすごく重なっていました。いろいろと考えさせられる部分もありました。読んでいて辛い描写もたくさんありました。

作品の絵に関しては、本当に圧巻というしかありません。矢沢先生の絵って、やっぱり唯一無二だなと思います。ファッションもすごく可愛くて、それぞれのキャラクターにぴったりと合っています。主人公2人の名前は同じなんですが、見た目や服装が正反対な感じがとても良かったです。

白黒の漫画なんだけど、全てのページにしっかり色がついてる感じが想像できるんですよね。キャラクターごとに、それぞれ違うイメージが楽しめました。すごくいいところで休載されていて、年月もだいぶ経っているので、続きがとても楽しみです。

私の個人的な意見としては、「下弦の月」に似たような雰囲気を感じます。人間関係も、現実世界を見ているようなリアリティーさを含んでいます。

キャラクターも洗練されています。主人公のナナと奈々、それぞれが完璧ではないところに惹かれます。ナナはかっこよく、奈々は可愛いのですが、今まで見てきた少女漫画の主人公とはまるで違っているのです。それぞれが闇を抱えており、見ていてモヤモヤするものの、2人がどうなっていくのか目を離せなくなってしまいます。

恋愛模様もかなり複雑です。付き合ったり、別れたり、また別の人と付き合ったり。一般的な恋愛漫画は、「ヒロインとペアになる男性は、最終的にはこの人」って感じで描かれると思います。その点、NANAには、ヒーローとなるべき男性キャラが固定されていないのです。そんな作品はなかなかないと思います。恋愛模様の群雄割拠とでもいいましょうか、続きが気になって仕方なくなります。

矢沢あいさんの独特なタッチで描かれた登場人物は、とても個性的で美しく、セクシーさも感じます。特にキスシーンやラブシーンはとても優美に描かれていて、見ていてドキドキしてしまいます。